PSA Japanは2026年10月29日、6月から受付を止めていた最安のサービスレベル「バリュー」を、10月30日(金)午前0時から再開すると公式Xで発表しました。
料金は1枚5,980円(税込)、対象は申告価格8万円以下のカード、予定納期は120営業日です。停止前と比べると料金は1,000円上がり、納期は40営業日短くなります。
申告価格は、申し込むときにカードの価格として申告する金額です。お店での売値ではなく、鑑定後に想定される価格で考えるのが一般的で、鑑定の結果その上限を超えると追加料金がかかる場合があります。条件は申込前にPSA Japanの規約で確認してください。
この記事では、改定表の中身、停止前との違い、同じ日に発表された米国本社の内容、停止中にPSA鑑定品の相場がどう動いたか、カードショップや買取の現場への影響を整理します。
- 6月から止まっていた「バリュー」が10月30日0時に再開。1枚5,980円・申告8万円以下・予定納期120営業日
- 停止前(5月の改定後)は4,980円・160営業日。1,000円上がり、納期は40営業日短い
- これまで最安だった「スタンダード」(9,980円)より1枚4,000円安く出せるようになる
再開後の料金表
PSA Japanの公式Xに添付された改定表(2026年10月29日付)の内容です。バリュー以外の段は、9月の改定から料金・納期とも変わっていません。
| サービスレベル | 料金 | 予定納期 |
|---|---|---|
| バリュー(8万円以下) | 5,980円 | 120営業日 |
| スタンダード(15万円以下) | 9,980円 | 100営業日 |
| プライオリティ(25万円以下) | 11,980円 | 80営業日 |
| エクスプレス(40万円以下) | 29,980円 | 25営業日 |
| スーパー・エクスプレス(75万円以下) | 44,980円 | 25営業日 |
| プレミア(150万円以下) | 89,980円 | 25営業日 |
| プレミアム1(400万円以下) | 149,980円 | 25営業日 |
| プレミアム2(800万円以下) | 299,980円 | 25営業日 |
| プレミアム3(1,500万円以下) | 449,980円 | 25営業日 |
| プレミアム5(3,500万円以下) | 749,980円 | 25営業日 |
| プレミアム10(3,500万円超) | 1,499,980円 | 15営業日 |
出典:PSA Japan(@PSAcardJapan)公式X「サービスレベル『バリュー』受付再開のお知らせ」添付の改定表(2026年10月29日)
今回の表で新しく載ったのは「バリュー」だけです。停止前にあった「バリュー・バルク」「バリュー・プラス」「バリュー・マックス」は、今回は再開していません。バルクの今後は下の節で整理しています。
停止前と比べて何が変わったか
バリューは2月に4,980円へ値上げされ、5月の改定で予定納期が160営業日に延びたあと、6月に受付が止まっていました。
| 項目 | 停止前 | 再開後 |
|---|---|---|
| 料金(税込) | 4,980円 | 5,980円(+1,000円) |
| 予定納期 | 160営業日 | 120営業日(−40営業日) |
| 申告価格 | 8万円以下 | 8万円以下 |
予定納期は、PSAから「荷物到着のお知らせ」メールが届いた日から数えます。土日祝を除くと120営業日はおよそ168日、約24週間です。10月末に出したカードが戻るのは、2027年の春ごろになる計算です。
予定納期はPSAが示す目安で、受付が集中すると延びることがあります。バリューは2026年5月にも納期が延び、その翌月に受付が止まりました。
米国のPSA本社も同じ日に再開を発表
米国のPSA本社も、日本時間の同じ10月29日0時に、バリューを太平洋時間10月29日午前8時から1枚39.99ドルで再開すると投稿しました。添付画像には「保険上限500ドル」「予定納期90〜100日」とあります。
本社はあわせて、次の2点も書いています。
- スタンダードとプライオリティの予定納期も短くなる
- 新しいバリューの注文は、すでに受け付けている注文の後に処理する
米国のコレクター向け専門誌「Sports Collectors Digest」によると、今回のバリュー再開は日本を含む全地域が対象で、日本の予定納期は120営業日です。同誌は、新しいバリューの注文はすでに受け付けている注文の後に回る、というPSAの説明も伝えています。
日本の改定表では、スタンダード100営業日・プライオリティ80営業日のままです。米国で短くなった納期が日本にも当てはまるかは、日本側の告知からは確認できていません。
バリュー・バルクは「バックログ500万枚」まで再開しない
もっと安かった「バリュー・バルク」(米国では1枚24.99ドル)は、今回も止まったままです。
同誌によると、PSAが抱える鑑定待ち(バックログ)は、10月28日時点で720万点まで減りました。7月末に報じられた1,240万点から4割ほど減った計算です。PSAは、バックログが500万点まで減った時点で、バリュー・バルクを含むすべてのサービスレベルを再開する方針だとしています。ただ、時期と再開後の料金は示していません。
Xでは、この点に触れて「無理して出す必要は無い」とする投稿も出ています。
ちなみにPSAは『バルクの再開予定ある』そう明言してるから、無理して出す必要は無いですね~。高いし笑。バックログ500万枚切れたら復活? バリューで下手にパンクさせたらバルクは遠退く…笑(X投稿より・原文ママ。「名言」は「明言」に直した)
バリューに注文が集まってバックログが再び増えれば、500万点に届くのは遅れます。急がないカードは、バルクの再開を待つという選択肢もあります。ただし、バルクが再開するかどうか、再開した場合の料金は、まだ決まっていません。
カードショップ・買取への影響
申告価格8万円以下のカードを出しやすくなる
6月の停止以降、申告8万円以下のカードでも、レギュラー(現プライオリティ)の11,980円か、9月15日からはスタンダードの9,980円で出すしかありませんでした。バリューの再開で、1枚あたりの鑑定代はスタンダードより4,000円下がります。鑑定代が高くて見送っていた価格帯のカードを、もう一度鑑定に回せるようになります。
発表を受けて、カードショップを運営する株式会社ウォースの中野泰輔社長(インタビュー記事)はXで「こりゃまた世界変わるぞ、カドショ頑張ろう」と引用投稿しました。
納期が長いぶん、在庫として寝かせる期間も長い
一方で、120営業日は約半年です。仕入れたカードを鑑定に出して販売するまでの間、その資金は戻ってきません。Xでも「でも予定納期120日ってどうなんだ」「またパンクするんでしょ」と、納期や受付の混雑を心配する声がありました。
鑑定に出す前に、次の2つを計算しておくと判断しやすくなります。
半年後にPSA10で売れる価格から、仕入れ値と鑑定代5,980円を引いて利益が残るか
PSA10にならなかったとき(PSA9以下)でも、赤字にならない価格で売れるか
バリュー停止中、PSA鑑定品の相場はどう動いたか
バリューが止まっていた約5か月、現場では「安く鑑定に出せなくなって出す人が減り、PSA鑑定品の買取も細った」「オリパの景品になっているPSA品も値が付きにくくなった」という声が出ていました。この見方がどこまで数字で確かめられるかを整理します。
PSA10の相場は停止中に3割下げた
民間の相場集計サービスが毎日公表している「PSA10指数」(PSA10カード全体の価格を1本にまとめた値)の推移です。
| 日付 | PSA10指数 | 変化 |
|---|---|---|
| 2026年4月14日 | 157,164円 | 春の高値圏 |
| 2026年9月25日 | 105,124円 | 4月14日比 −33% |
| 2026年10月9日 | 127,215円 | 9月25日比 +21% |
指数のチャートでは、6月末と9月に大きく下げています。バリューの受付停止(6月初め)のあとにPSA10の相場が下げたのは、数字のうえでも事実です。
PSA10で1万円前後のカードは、鑑定代で利益が消えていた
停止中に申告8万円以下のカードを出せる最安のプランは、9月14日まではレギュラー(現プライオリティ)の11,980円、9月15日からはスタンダードの9,980円でした。
PSA10になっても1万円前後でしか売れないカードは、鑑定代だけで売値とほぼ同じになります。仕入れ値を足せば、PSA10が出ても赤字です。バリューの5,980円なら、PSA10で1万円のカードでも鑑定代は売値の6割ほどに収まります。
| PSA10の売値 | スタンダード 9,980円 | バリュー 5,980円 |
|---|---|---|
| 1万円 | 約100% | 約60% |
| 3万円 | 約33% | 約20% |
| 5万円 | 約20% | 約12% |
停止中に鑑定へ回しにくかったのは、主にPSA10でも数万円に届かない価格帯のカードです。ただ、実際に鑑定に出す人がどれだけ減ったかを示す公開データは見つかりませんでした。
ただし「鑑定に出す人が減ったから下がった」とまでは言えない
一方で、次の点から、相場の下げをバリュー停止だけで説明することはできません。
- 同じ時期はポケカ相場全体が下げていた。9月25日分の指数は、PSA10・通常カード・未開封BOXの3区分そろって下落している
- 鑑定に出す人が減れば新しく出回るPSA10も減るので、理屈の上では価格を支える方向にも働く
- 10月に入ると、バリューが止まったままでもPSA10指数だけが2週間で2割戻した(同じ期間、通常カードの指数は−8.4%)
- 買取件数や売買の成立件数など、「売りにくくなった(流動性が落ちた)」ことを示す公開データは見つからなかった
オリパの景品になっているPSA品についても、価値の推移を示す公開データは見つかりませんでした。言えるのは、PSA10指数が4月の高値から下げたぶん、同じPSA10の景品を換金して受け取れる額も春より下がった可能性が高い、というところまでです。
再開後は安い帯のPSA10が増える
バリューの再開で、申告価格8万円以下のカードが再び1枚5,980円で鑑定に出せるようになります。予定納期どおりなら、来年の春以降、この価格帯のPSA10が市場に戻ってきます。
Xでは「バリュー復活で相場が上がるのか」という議論も起きました。「安価なカードの鑑定需要が戻り、短期的に価格が上がる」という見方がある一方で、「上がるのは高い価格帯だけで、安いカードは上がらない」という慎重な意見もあります。供給が戻る安い帯のPSA10は値上がりしにくい、という点では、後者の見方に分があります。ただ、どちらも見立てで、実際に相場がどう動くかはまだわかりません。
オリパ事業者にとっては、景品にする申告価格8万円以下の帯のPSA10を仕入れやすくなる一方、その帯のPSA10の相場が上がりにくくなる、という両面があります。
30周年のカードは、これからPSA品が出てくる
10月に出た30周年記念の商品のカードは、バリューが止まっている間に発売されました。PSA10になっても数千円〜1万円台にとどまるカードは、9,980円のスタンダードでは鑑定代が見合わず、ほとんど鑑定に回せていなかったとみられます。
バリューの再開で、申告価格が8万円以下に収まる30周年のカードも5,980円で出せるようになります。トレカプロ編集部では、次の流れになると見ています。
鑑定に出す前提で、傷のない未鑑定のカード(素体)を買う人が増え、30周年のカードの素体の需要と価格が上がる
10月30日以降に出された分が、予定納期どおりなら2027年春ごろから30周年のPSA10として市場に出てくる
PSA10の枚数が少ないうちは高値がつきやすく、枚数が増えるにつれて落ち着いていく
これは編集部の見立てで、PSAの受付状況や納期、30周年のカードの相場次第で変わります。素体を買って鑑定に出すかどうかは、素体価格一覧のように素体とPSA10の価格差を見て判断してください。
出典:PSA Japan(@PSAcardJapan)公式X「サービスレベル『バリュー』受付再開のお知らせ」(2026年10月29日)
取材にご協力いただける方を募集しています
トレカプロニュースでは、バリュー再開の影響について、現場の声を集めています。次のような方のお話を伺えれば幸いです。
- カードショップ・買取店の方(PSA鑑定品の買取・販売、鑑定代行の受付状況)
- オリパ事業者の方(PSA鑑定品の景品の仕入れや扱い)
- バリュー停止中・再開後に、実際に鑑定へ出した方
匿名でのご協力や、情報提供だけでも構いません。下のフォームからご連絡ください。
確認できたこと・できなかったこと
| 項目 | 確認結果 |
|---|---|
| 日本のバリューの料金・申告価格・納期・再開日 | PSA Japan公式Xの添付画像で確認 |
| 米国のバリューの料金・納期、既存注文の後に処理する方針 | PSA本社の公式Xで確認 |
| 日本でも既存注文の後に処理するか | 米専門誌は全地域共通の説明として報道。日本の告知では未確認 |
| バリュー・バルク/プラス/マックスの再開 | 今回は再開せず。バルクはバックログ500万点で再開する方針(米専門誌の報道) |
| バリュー停止中にPSA10相場が下げたこと | 民間の相場集計サービスのPSA10指数で確認(4月14日比で最大−33%) |
| 下げの原因がバリュー停止か | 確認できず(同時期に相場全体も下落) |
| PSA鑑定品・オリパ景品のPSA品が売りにくくなったか | 確認できず(買取件数などの公開データなし) |
| 30周年のカードのPSA品が増えるか | 編集部の見立て(再開後の受付・納期次第) |
申込前には、PSA Japanの公式サイトで最新の料金と条件を確認してください。
情報源
- PSA Japan(@PSAcardJapan)公式X「サービスレベル『バリュー』受付再開のお知らせ」(2026年10月29日)
- PSA Japan 公式サイト「サービスレベル『バリュー』受付再開のお知らせ」
- PSAcard(@PSAcard)公式X(2026年10月29日)
- 中野泰輔(@ta1suke)の引用ポスト(2026年10月29日)
- Sports Collectors Digest「PSA reopens Value grading service, reduces turnaround times amid massive backlog」(2026年10月28日)
- Xポスト(@cY4wItenbl95537・2026年10月29日)
